まだ何も成し遂げてないおばさんブログ

おばさんだけど日々目標に向かって動きます!

赤ちゃんのいるご家庭へ。防災グッズに液体ミルクという準備。

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おはようございます。

 

9月の防災月間中に発信したいと思っていた内容で、もーギリギリです。。(アウト)

 

 

今年度、職場の防災委員をやってます。(職場は災害拠点病院です。)

 

なかなか真面目にやってまして、すごく勉強になります。

 

せっかく学んでいるので、たくさんの方に知ってもらいたいことは発信していきたいなー、と思ってます。

 

"防災用品としての液体ミルクについて" 発信していこうと思います。

 

 

先日、病院の災害時備蓄品に液体ミルクを導入することになりメーカーから説明会がありました。

 

うちの病院ではアイクレオを導入することになりました。

 

 

 

 

乳児用液体ミルクはすでに阪神淡路大震災(1995年)の時に朝日新聞が取り上げていた、という記事がありました。(わたしは知らなかった。)

 

www.facebook.com

 

 

東日本大地震(2011年)や北海道地震(2018年)では支援物資の中に乳児用液体ミルクがあったみたいですが使用されなかった、という記事も。

 

news.yahoo.co.jp

 

 

脚光を浴びたのは熊本大地震(2016年)の時でフィンランドからの支援物資として送られた液体ミルクが活用されました。(その後発生した北海道地震の時に使用されなかったので普及には至らなかったようです。)

 

その時の朝日新聞の記事には”日本では法の壁や安全性への懸念から商品化へのめどは立っていない”とありました。

開発・製造・販売までたくさんの困難があったことがわかります。

 

www.glico.com

 

2018年8⽉8⽇に⾷品衛⽣法の『乳等省令』、健康増進法の『特別⽤途⾷品制度』において、液体ミルクに関する基準が定められ、⽇本で乳児⽤液体ミルクの製造・販売が解禁される運びとなりました。

 

開発について江崎グリコのサイトには、上記のように書いてありました。

 

ようやく今年2019年3月11日(3.11に合わせたみたいです。)日本初の液体ミルク が買えるようになりました。

 

その後、明治 ほほえみも販売されています。

 

 

 

なぜ防災グッズに液体ミルクなのか

 

防災グッズの備蓄品の意味は、災害時にはライフラインの停止が予測され長期間不便な生活を送ることもあるため、家庭で食料・飲み水を始め必要なものを備蓄をしておいてください、という推奨です。

 

各々のご家庭で必要な備蓄品は違います。

赤ちゃんのいるご家庭では赤ちゃんのための備蓄が必要です。

 

現在母乳育児をされているご家庭でも、環境の変化やいろいろなストレスによって、母乳が減る可能性があります。

もちろん災害時も母乳育児を続けられるのが一番です。

続けられたほうがママも赤ちゃんも心身ともにいいので安易にミルクを勧めてるわけではありません。

災害時であっても、母乳育児を続けることが最優先です。

 

ただ上記のように、母体を休めることが必要な場合もあるし、ママ以外の人が哺乳できた方がいい場合もあるし、一時的に赤ちゃんの必要量に対して母乳が不足することもありえます。

万が一のために、ミルクの備蓄をしておいたほうが安心かもしれません。

 

 

ミルクの備蓄は、今までは粉ミルクしか選択がなかったのですが、液体ミルクの登場で、粉より液体という流れになっています。

 

ライフラインが止まることを予測しての備蓄ですから、ミルクを作るための備蓄には、粉ミルクの場合、粉ミルクそのものの他に粉ミルクを溶かすための清潔て安全な水が必要です。

 

水だけではなく、70度以上のお湯にしないと粉ミルクは溶けないし殺菌にもならないので、水をお湯にする道具も必要です。

 

水道・ガス・電気が止まっている状況でミルクを作るのはすごく大変です。

 

一方、液体ミルクはそのまま使えます。メーカーの説明では、常温で飲ませてもよい、とのことです。

 

その点で、備蓄品として液体ミルクが普及していってる流れにあります。

 

 

 

 

どれぐらいストックしておけばいいのか

 

災害時にはライフラインの停止、交通や情報網の遮断などが起こります。

救援物資が到着し、各家庭に行き渡るのに最低でも3日かかる、と言われています。

 

そのため、最低3日間の生活に必要な備蓄をしておきましょう、と推奨されています。

 

液体ミルクの場合、一度開けたものの保存は衛生が保証されないので余ったものは捨てなければいけません。

開けてしまうとどんどん菌が繁殖してしまうからです。

 

なので、1日に飲む回数×3日分のストックが必要です。

 

1日に8回飲む赤ちゃんなら3日分の”24本以上の液体ミルクのストックが必要”、となります。

 

アイクレオの場合1パック125mlなので、赤ちゃんが生後2ヶ月以上となると1回につき2本必要になってくると思いますが、哺乳と哺乳の間隔が開いてくるので、8回は必要ではなくなってくると思います。

 

1缶240mlのほほえみの方が使い勝手がいいご家庭もあるかもしれません。

 

アイクレオのサイトに月齢に合わせて1日に必要なミルクの一覧表があったので、ストック量を決めるといいと思います。

 

www.icreo.jp

 

 

 

 

 

ローリングストックについて

 

備蓄品は3日分用意しておくことが推奨されています、という話をしました。

 

賞味期限のあるものの備蓄は、期限が古いものから使い、使った分を購入してストックすると常に賞味期限が保たれ無駄がなくてすみます。

 

アイクレオは賞味期限6ヶ月間、ほほえみは1年間となっています。

 

うちの病院ではアイクレオを備蓄することになりました。

 

通常、入院している赤ちゃんたちはまず母乳優先で飲んでいて、足りない分をミルクで補足しています。

普段使いのミルクは今後も粉ミルクを使っていき、備蓄分だけを液体ミルクにしていくことになりました。

コストは液体ミルクの方が断然かかってしまうのが現実です。

 

備蓄品のアイクレオは、賞味期限が切れる前に使い、その分新しいものを備蓄していくローリングストック法を実施していくことになりました。

 

ご家庭でも、備蓄のミルクは液体ミルクにして、普段使いは粉ミルク。

おでかけ時(粉ミルクを作るためには持ち物が多い!)や夜間帯(眠い目こすって粉ミルクを作るのは本当に大変!)に液体ミルクを賞味期限が切れる前に使って、新しいものを備蓄品に回す、というような使い分けをするのがいいかなと思います。

 

では母乳育児をしているご家庭ではどうしたらいいか、ということも考えてみました。

 

完全母乳であっても、備蓄品として液体ミルクを備えておくほうが安心、という話をしました。

でも、ミルクを使う機会がないままミルクを必要とする時期が過ぎてしまう(完全母乳でごはんに移行できた!)、または備蓄品の消費期限がきてしまう、ということが予想されます。

 

備蓄品を廃棄するのはお金を捨てるようなものなので、廃棄しない方法をとりましょう。

 

離乳食でミルクがゆやパンがゆを作るときに利用してしまう、というのもひとつです。

他にも、煮た野菜を潰してゆるめるのに使ったり、シチューやグラタンなど牛乳を使う料理に代用させて使い切ることもできます。

 

これは、ミルクを卒業した赤ちゃんのご家庭でも使えるアイデアですね。

 

今や「ミルク 再利用」ってGoogle先生に聞けば、何でも答えてくれます。笑

 

ただ、赤ちゃんがミルクアレルギーなどの理由で、特殊ミルクか母乳じゃないと与えられないというご家庭もあるかと思います。

 

残念ながら液体ミルクにはまだ、特殊ミルクはないとのことです。

 

また、完全母乳の赤ちゃんは、母乳しか飲んだことがないから今までは分からなかったけれども、もしかしたら乳製品アレルギーだった、ということもあります。

 

赤ちゃんに母乳以外のミルク(乳製品)を初めて与える時は、少量から様子をみながら始める方が安全です。

 

 

 

 

哺乳瓶や乳首を洗浄・殺菌する水もない場合

 

災害時は、ライフラインが停止してしまうこともありうるので備蓄をしておいたほうがいい、という話をしました。

 

ライフラインが停止してしまうと水道の水が自由に使えない状況が予測され「哺乳瓶や乳首を洗浄・殺菌もできない」ということもあり得ます。

 

備蓄の液体ミルクが無菌の状態であっても、哺乳瓶や乳首が洗浄・殺菌できない状態で赤ちゃんにあげられない、ということが心配されます 。

 

海外の液体ミルクには使い捨ての乳首がついていて、液体ミルクの容器にそのままつけられるものもあるみたいですが、今のところ、日本で販売されているアイクレオほほえみも、容器に移し替えて与えるものです。

 

清潔な哺乳瓶・乳首がない時の授乳方法として、コップを使ったカップフィーディングという方法があります。

 

備蓄品に使い捨てコップも用意しておきます。

使い捨てコップに液体ミルクを入れて赤ちゃんに与える、という方法です。

赤ちゃんにコップでミルクを与えるのは、普通にわたしたちがコップで液体を飲むように流し込むのではなく、少しコツがいります。

 

え?赤ちゃんってコップでミルク飲めるの?と驚いた方もいらっしゃると思います。

実はコップで赤ちゃんにミルクを与えるという方法は、病院でもやっています。おそらく母乳育児推進に力を入れてる病院、助産師さんはスタンダードにやっていると思います。

 

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写真は、上記の本の1ページからです。 

 

母乳育児推進をしている病院でカップフィーディングをしているのは、乳頭混乱を予防するためです。

赤ちゃんの口に入るものを、おっぱいだけにしたいため。。人口の乳首やおしゃぶりに慣れてしまうと、ママのおっぱいを受け付けなくなるから、という理由です。(両方いけちゃう赤ちゃんもいますけどねー。うちの息子は両方大丈夫でした。)

 

あ、話が逸れました…

 

使い捨てカップで液体ミルクの哺乳ができれば、洗浄・殺菌のことや清潔で安全な水の確保を心配しなくてもよくなると思います。

 

一度、練習してみてもいいかもしれません。

ちなみに、ミルクはこぼれます。。3割こぼれると思ってください。

厚めのタオルを赤ちゃんの顎の下に準備必須です!!

 

方法は以下に記載しておきます。文章での説明だけでわかりにくくでごめんなさい。

 

①赤ちゃんがしっかり起きていて、ミルクを欲しがっている状態を確認。

②頭を高く、縦抱きになるような状態に抱っこします。(誤嚥防止です。)

③ミルクを入れたコップを赤ちゃんの下唇に乗せ、コップのふちが上唇に触れるようにし、中のミルクが上唇に触れるぐらいにコップを傾けます。(ドバっと入らないようにコップの中のミルクは少し、コップも小さいものがいいと思います。)

④コップを赤ちゃんの唇に触れたまま保持し、赤ちゃんが自分で飲むようにする。コップを傾けすぎてミルクを流し込まないように。

 

赤ちゃんにとっては不自然な飲み方なので、一度にたくさんの量は飲めないかもしれません。必要なら休憩をしながら行ってみて下さい。

 

赤ちゃんの手がバタバタしてしまって安定しない時は、おくるみで手を包み込んであげると、うっかりミルクのコップがこぼれるという心配もなくていいと思います。

 

母乳のみで育てていらっしゃる場合、コップの中をミルクではなくて絞った母乳で練習してみてもいいと思います。

 

備蓄する使い捨てコップは小さくて透明のが使いやすいと思います。

 

 

 

カップフィーディングをするのが不安だという方は、使い捨て哺乳瓶もあります。

こんなのが世の中にあるなんて、今回初めて知りました!! 

 

 

 

液体ミルクとセットになっているものもあった!!!

 

 

 

SNSで話題になったことについて

 

news.yahoo.co.jp

 

SNSでの発言についての話題、わたしも読みました。

 

「母乳は赤ちゃんに最良の栄養です」という文言が母乳が出ない母を追い詰める、という話。

 

上のリンクした記事が、 すごくうまく書かれていたのでリンクしておきます。

 

わたしも、この文言に傷つかなくて大丈夫だよ、気にしなくていいよ、と思っています。

この文言が入っているのは、このリンクした記事に詳しく書いてありますが、マーケティングの歴史、というところが発端です。ぜひ、読んでみて下さい。

日本が、この世界規模の規則を法律に反映していることを、わたしは誇らしく思います。

そのことで、世界中の赤ちゃんとママが守られている側面もあるからです。

 

わたしも母乳育児を推進している医療者の一人ですが、赤ちゃんひとりひとり、ママひとりひとり状況は違います。

 

個別的な育児支援が必要だと思うので、全体に向けたメッセージって難しいですね。

 

その中で、このリンクした記事はすごくよかったです。

 

 

今回は、防災グッズに液体ミルク、ということで話をしてきましたけれども、母乳と災害についても発信できたらなー、と思ってます。

 

また他にも、共有出来たら役に立ちそうなことがありましたら、微力ではありますが発信していきたいと思います。

 

本日は以上です〜

 

 

くによしひなこ LINE@ あります。

赤ちゃんの育児に関する相談は、得意な方だと思います。 今のところは無料で行なってます。

 

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